赤ちゃんや子供を車に乗せるときにはチャイルドシートを着用しなければいけません。とはいえ、設置しなければならないことは理解していても、チャイルドシートが必要な年齢や取付方法・免除される事例などについては詳しくない方もいるでしょう。
そこでこの記事では、チャイルドシートに関する法律や義務などの基本情報をご紹介します。チャイルドシートを使用する年齢や、取付方法で意識すべきことなどもあわせてチェックしておきましょう!
【目次】
チャイルドシートを使い始める時期は?
子供を車に乗せる場合、チャイルドシートは新生児の時から必ず必要です。道路交通法第71条の三 第3項により、6才未満は着用が義務付けられています。
でも、「なくても大丈夫かな」とか「しっかり抱っこしていればいいのでは?」と思ってしまうこともあるかもしれません。実際にチャイルドシートを使わないいと、どれくらい危険なのでしょうか?
警察庁が2020年に調べたデータによると、チャイルドシートの有無で死傷率が8倍ほど変わることがわかっています。ママ・パパの抱っこで乗っている場合でも、子供は車外に放り出されてしまうこともあるので、まったく安全ではないのです。
それなのに、チャイルドシートの着用率は79.5%程度 (2020年度のデータ)。子供の安全を守るために、必ずチャイルドシートは用意してあげましょう。
チャイルドシートの着用が免除される例
チャイルドシートの着用は道路交通法で定められていますが、状況によっては着用義務が免除される場合があります。
例えば、幼稚園や保育園などの送迎バス。みんなチャイルドシートを付けていませんよね?これは、着用義務が免除される「座席ベルトがない車両またはチャイルドシートの装着が不可能な特殊な座席ベルトが装備されている車両」に該当します。
また、「子供をチャイルドシートに乗せることで、乗車定員より少ない人数しか乗車できなくなる場合」(乗車定員は5人なのに、チャイルドシートを付けると4人しか乗れない等)も着用は免除されます。
そのほか、「怪我や障害、肥満、身体的な問題で着用が難しい場合」「授乳など、チャイルドシートをしたままで日常生活上の世話ができない場合」「バスやタクシーを利用する場合」なども着用免除にあたります。
また、タクシーを利用する場合は免除されますが、知人の車に乗せてもらう時には、チャイルドシートが必要な点も注意が必要です。
上記のように、免除される状況もありますが、基本は事故で怪我をしないために、「できる限りチャイルドシートを使用する」「お世話は車を停止して行う」「計画的に予定を立てる」といったことを意識するようにしましょう。
着用義務が免除される例
https://www.police.pref.kanagawa.jp/kotsu/jiko_boshi/kodomo/mesf2012.html#q4違反した場合の罰則はあるの?
こちらの着用免除に該当せず、チャイルドシートを着用しなかった場合は道路交通法違反となり、違反した車両の運転者に交通違反の減点「1点」となります。減点以外には罰則や罰金などを科せられるわけではありません。
一見すると軽微な罰に感じるかもしれませんが、罰則以上に子供の命を守ることが一番大事なポイントです。なにしろ、交通違反点数が一定数に達せば免許停止にもなりますので、軽微なことと思わずしっかり義務を守りましょう。
違反した場合の罰則
チャイルドシートはいつからいつまで必要なの?
チャイルドシートの着用が法律で義務付けられているのは新生児から6才未満の子供ですので、退院時からチャイルドシートは必要になります。
また、6才になったらすぐチャイルドシートが不要になるかというと、そうではありません。安全のため、身長150cm未満の場合はジュニアシートを着用することがJAFでは推奨されています。
「6才になったら不要」ではありません
一般的な車両に装備されているシートベルトは、大人の身体を前提に設計されています。身長が低い場合にシートベルトを着用すると、ベルトが首にかかりやすくなってしまったり、事故の際に体を支えることができずに逆に危険になってしまうこともあるのです。
そのため、身長150cmを越えてしっかりとシートベルトを着用できるようになるまでは、チャイルドシートやジュニアシートを使いましょう。
長いものでは11才頃まで継続的に使用できるチャイルドシートもあるので、どのようなサイズやタイプが子供に適しているか検討してみてはいかがでしょうか。
身長・体重に合わせてチャイルドシートを切り替えましょう
チャイルドシートには大きく分けて3つの種類があります。それぞれ対象とする身長や体重が異なり、大まかに「新生児から」「1才頃から」「3才頃から」と年齢の目安が分かれています。
身長・体重などの成長も見ながら、チャイルドシートからジュニアシート(またはチャイルド&ジュニアシート)への切り替えを行いましょう。なお、年齢はあくまで目安です。「身長」「体重」など、メーカー・チャイルドシート毎に条件が異なる場合がありますので、詳しい条件は必ず取扱説明書を確認しましょう。
※年齢・身長・体重は目安となります。
詳しい選び方はこちらの記事をご覧ください。
取付向きにも注意!前向き・後向きの使い分けが重要
チャイルドシートは商品によって前向き・後向きと取付ける向きの月齢・身長・体重の条件が決まっています。誤った方向で取付けると安全性が十分に発揮できないこともあるため、取扱説明書などを確認しながら正しい向きに取付けましょう。
メーカー・商品・安全基準によって違いがある為、取扱説明書の使い方をしっかりと確認することが重要です。
前向き・後向きの違いとは?
※年齢は目安となり、詳しくは取扱説明書をご確認ください。
チャイルドシートにおける前向きとは、子供が乗った際に、大人と同じ、車の進行方向を向く設置方法です。その逆が後向きで、子供が乗ったときに進行方向と逆方向く設置方法となります。
前向きのメリットは子供の世話がしやすいこと、子供自身も景色を楽しみながらドライブができることです。早く大人と同じ景色を見せたくなるかもしれませんが、背中全体で衝撃を受け止める後向きに比べると安全ではない為、初めは後向きの設置が必要です。
一方で、後向きの最大のメリットは安全性です。背中の広い面で衝撃をより分散できるため、安全の為には、後向きで取付けるのがベストです。
もしもの事故の80%は前方からの衝突ともいわれていますので、しっかり赤ちゃんを守るために、初めのうちは後向きに取付けてあげましょう。デメリットとしては、運転席や助手席からは子供の顔が見えず、お世話をしにくい点がありますが安全性には代えられません。
※2017年 交通事故総合分析センター「車両の第1衝突部部位別損壊程度別・事故類型別 当事者別 全事故件数(1当)」より
後向き → 前向きに切り替える時期はいつ?
新生児はまだ首が座っていないことや、安全性の観点から後向きの装着が適しています。いつから前向きにするべきかは子供の成長・使用するチャイルドシートが適合している安全基準にもよりますが、1才~1才半頃から前向きでも使えるようになります。
具体的には、チャイルドシートの安全基準であるR44に適合している場合では12ヵ月頃 (体重は9kg未満)まで、最新の安全基準であるR129に適合している場合は、15ヶ月未満(身長は76cm未満)まで、後向きでの装着が必要となります。
向きの切り替えに関しては、メーカーや商品、安全基準などにより違いがあるので、取扱説明書をしっかり確認し、それに従うようにしましょう。
チャイルドシートは助手席に取り付けてもOK?
チャイルドシートの取付位置については、法律で決まっているわけではありません。ただし、助手席へのチャイルドシートの取付は原則的に避けましょう。
例えば事故の際、助手席はエアバッグが搭載されているため、エアバッグが作動した衝撃で子供が怪我をしてしまう可能性があります。人の命を守るためのエアバッグも、子供の小さな体にとっては大きなダメージになるのです。
他にも助手席は後部座席に比べて事故を起こした時のリスクが高いため、チャイルドシートは後部座席に取付けるようにしてください。
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コンビのおすすめチャイルドシート
コンビなら、利用したいシーンや子供の成長にあわせて最適なチャイルドシートをお選びいただけます。
産まれてはじめて乗るチャイルドシート(参考:新生児~4才頃まで)
1才頃からなが~く使えるチャイルド&ジュニアシート(参考:1才~11才頃まで)
3才頃からのジュニアシート(参考:3才頃から11才頃まで)
まとめ
チャイルドシートは6才未満まで法律で着用義務があります。ただ、法律で定められてはいませんが、子供が成長して身長150cmを越えるまではジュニアシートの着用をしましょう。
子供の安全を守るためにも、身長・体重にあった適切なチャイルドシート・ジュニアシートを選び、おでかけを楽しみましょう。